夏でも涼しく、凛とした空気に満たされた場所
桂川の上流にあり、山中湖、忍野八海のからの流れによって出来た二条の流れが美しい滝です。
鐘山の滝は、鐘の音を響かせるという伝説があるそうです。武田信玄が早鐘を打たせたときに、そのつり鐘が誤って滝つぼに落下してしまい、それ依頼、滝からは鐘の音が聞こえるという伝説です。
この滝は落差10メートル程と、決して大きな滝ではありませんが、桂川の上流では唯一の滝とのこと。写真は8月に撮影をしたものですが、春には見事な、みつばツツジを見ることができ、また秋には紅葉の葉を浮かべた、味わい深い景色が見られるそうです。日によっては太陽の光が作り出す、光の柱「光芒」も見ることが出来る滝として有名だそうです。
この滝のことは「甲斐国志」という、江戸時代に造られた甲斐地方の総合的な地誌にも記述されていて、昔は鐘が淵と呼ばれていたそうです。滝そのもよりも深い滝つぼの「淵」の方が有名だったということでしょうか。滝が流れ落ちる岩も、滝つぼも、そして周囲の岩も全て富士山が噴火したときに流れてきた溶岩です。
Writer:Tatsuji Kobayashi
Photo:Kosuke Tamura