1. 撚糸
先染織物は染色前の糸から手間を掛けます。糸をよることにより、ハリを生み、毛羽立ちを抑えます。撚りが足りないと織るときに引っ掛かり織物にケバが出来てしまいます。撚りが強いと堅い織物になってしまいます。そこでロアジールを織るための糸は通常1mあたり縦糸で700回、横糸で400回のバランスの良い撚りを掛けています。
2. 染色
織物上で見える色の数だけ、染色を行います。染めあがった糸は糸本来の重さの2倍の水分を含んでいるため染めた糸を脱水、乾燥させます。乾燥させるとベンベルグ(キュプラ)本来の適正水分量が保てなくなるので、今度は吸湿させて、一番良い状態の水分量に戻します。ベンベルグは自身の重さに対し、11%の水分を含んでいる状態が標準なのです。これを公定水分率といいます。乾燥に4日、吸湿に3日の日数を費やします。
3. 整経
シルクと同じ公定水分率である、11%の水分量に戻った糸を織物の柄の通りに、一本一本並べて巻き取り、織機に載せられるようにします。
4. 製織
整経により巻き取られた糸を、再び一本一本、柄を間違えないように手作業で織機に載せます。そして、緯糸をセットしてから織りはじめます。1台の織機で1日に50mだけ織ることができます。手間と時間のかかる織物なのです。
5. 仕上
ベンベルグはデリケートな高級素材なので、約5日間を掛けて何工程もの加工をして、きちんとした生地に仕上げます。最後に2人掛かりで、「目で見て」きびしい検査をし、検査に合格した織物だけが、ロアジールとして販売されています。
山梨県産業技術センター富士技術支援センター(通称:シケンジョ)の公式ブログ「シケンジョテキ」にて、LOISIR®製造工場の見学ツアーをご紹介いただきました。